環境教育

  • 研究室訪問:京都府立嵯峨野高等学校

    研究室訪問:京都府立嵯峨野高等学校

    10月2日(金)、修学旅行で札幌を訪れていた京都府立嵯峨野高等学校の2年生22名と引率の先生3名が、北海道大学訪問の合間に環境地理学分野の研究室へ立ち寄ってくれました。 訪問のきっかけ 今回の訪問は、5月のJpGU(日本地球惑星科学連合)の高校生セッションで、同校の生徒の方が登山道に関するポスター発表をされており、引率をされていた地学担当の谷口 悟先生と早川がお話しする機会があったことがきっかけでした。学会での出会いが、こうして高校生の皆さんとの交流につながりました。 当日の流れ 10時半ごろ、一行は北大に到着しました。正面玄関でお迎えし、工事中の建物を迂回して裏口から入り、まずは1階の部屋で全体向けのお話をしました。 北海道大学と地球環境科学研究院について 環境地理学分野の研究紹介 話は10分程度に短くまとめましたが、研究室の活動をまとめた1枚のスライドも使って紹介しました。以下がそのスライドです。 最近の研究活動を主にまとめて、次の4つのテーマを軸に紹介しています。 自然災害・山地地形のモニタリング:登山道の侵食や厚真の崩壊斜面、能登半島地震による隆起と侵食など、フィールドでの地形変化の調査 先進的計測手法・3Dデータ解析:無人航空機やLIDAR、スマートフォンを使った高精細な3D地形計測や、衛星データ(GEDI)の活用 グローバル環境研究・国際連携:ガーナの森林破壊や温室効果ガスの研究、国際学会での活動 教育・アウトリーチ・社会還元:「ひらめき☆ときめきサイエンス」などの体験型プログラムや、地域向けのジオツアー 続いて3階の研究室に皆で移動し、本研究室ならではの様子を見てもらいました。机の上に並べた3Dプリンタによる地形模型では、実際の地形がどのように立体的に表現されるかを手に取って確かめられます。大学院生が研究の話や大学生活のことを交えながら説明し、VR体験や登山道のトレッドミル実験の紹介も行いました。 すべてのコンテンツを全員がじっくり体験する時間は取れませんでしたが、それでも、生徒の皆さんは地形模型を覗き込んだり、VRやトレッドミルで地形を体感したり、院生に質問したりと、熱心に見学してくれました。 おわりに 限られた時間でしたが、地形や環境を「測って、見て、考える」研究の面白さを少しでも感じてもらえていたらうれしく思います。また、これから進路を考える高校2年生の皆さんにとって、大学院生の姿や研究室の雰囲気に触れる機会になっていれば幸いです。 修学旅行のなかで立ち寄ってくださった嵯峨野高校の皆さん、そして調整してくださった谷口先生、引率の先生方に、心より感謝申し上げます。また、当日の説明を担当してくれた大学院生の皆さんも、ありがとうございました。 北海道での残りの旅程も、どうぞ楽しんでください! Read More

  • 開催報告:ひらめき☆ときめきサイエンス2026「ドローンでミニチュア地形をつくろう!-みて、さわって、想像する地形景観-」

    開催報告:ひらめき☆ときめきサイエンス2026「ドローンでミニチュア地形をつくろう!-みて、さわって、想像する地形景観-」

    小学生・中学生向けワークショップ「ドローンでミニチュア地形をつくろう!」を、2026年8月16日に北海道大学地球環境科学研究院で開催しました。 今年も「反転模型」を使った紙粘土工作を主軸とし、一日のワークショップを実施しました。 開催告知はこちら(HDTopography Project): https://hdtopography.blogspot.com/2025/07/hiratoki2025call.html まずは座学からスタートです。ドローンなどを使った環境計測の仕組みや、そこから得られたデータをもとに3Dプリントで地形模型をつくる技術、さらにはかつての景観を復原する方法や意義について、スライドを使いながらわかりやすく説明しました。普段は目にすることのない「地形をデータとして捉える」という視点に、子どもたちも興味津々の様子でした。 座学のあとは、実際に3Dプリントされた地形模型と、計測に使う機器(小型無人航空機=ドローン)を間近で見て、手に取ってもらいました。写真や図だけではわからない重さや質感、精巧なつくりを体感することで、「この地形がどうやってできているのか」を具体的にイメージできたようです。 続いて屋外に移動し、実際のドローンを飛ばすデモンストレーションを行いました。空撮によって地形や景観のデータがどのように取得されていくのか、実演を交えて紹介しました。 屋内に戻ってからは、子どもたち自身がトイドローンの操縦を体験しました。コントローラの操作に最初は戸惑いながらも、すぐに操縦のコツをつかみ、狙った方向に飛ばせるようになると歓声が上がっていました。 さらに、ヴァーチャルリアリティ(VR)を使った体験コーナーでは、実際の崩壊地(土砂崩れなどが起きた現場)を仮想空間の中で歩き回ってもらいました。現地に行かなくても、まるでその場にいるかのような感覚で地形の起伏や規模を実感できるのがVR体験の醍醐味です。 ランチタイムをはさみ、いよいよメインの工作タイムです。地形模型をもとにした「反転模型(型)」にパウダーや油を薄く塗り、紙粘土に押し付けます。これを丁寧に取り外すと、実際の地形の凹凸をそのまま写し取ったミニチュア地形模型が出来上がります。この「型取り」で、実際の地形をそのまま手のひらサイズで再現できることに、子どもたちも驚きの表情を見せていました。 型から取り外した紙粘土の模型は、熱を使って表面を軽く乾かします。そのあとは各自の想像力を働かせながら、ペンで色を塗っていきます。実際の地形をもとにした模型でありながら、山や谷、川筋を見て思い浮かんだ物語やイメージに沿って、自由に彩色していくのが、このワークショップならではの楽しさです。 最後は、グループごとに完成した地形模型を囲んで相談し、そこにどんな物語を込めたのかを発表し合いました。「ここは火山」「ここには川が流れている」など、思い思いのストーリーが飛び出し、会場は大いに盛り上がりました。 ワークショップの締めくくりには、参加者全員で記念撮影。未来の博士号、集合!みんな誇らしげな表情で並んでくれました。 今年も賑やかに、想像力豊かな作品を創り出すことができました。身近な景色から、想像の景色まで、幅広く思いを巡らせてもらえたと思います。ぜひ、今後の学びに活かしてもらえたら嬉しいです。 Read More

  • 開催報告:登山道観察&3Dラボ体験in大雪山国立公園2026

    開催報告:登山道観察&3Dラボ体験in大雪山国立公園2026

    当研究室が主催した「登山道観察&3Dラボ体験in大雪山国立公園2026」が2026年8月9日(日)に開かれました。 後援:大雪山国立公園管理事務所 協賛:NPO法人 悠久の森 *当イベントは、北海道大学J-Peaks(2025~2026年度)によって助成された研究課題:「自然公園デジタルツインの構築と3D活用によるリジェネラティブ観光 (代表:早川裕一)」の教育·技術普及フェーズに関わる取り組みです。 山岳国立公園をはじめ自然公園における、登山道の土壌侵食問題の軽減とその持続可能な管理は喫緊の課題です。継続的に質の高い登山利用を提供すると同時に、登山道の荒廃を最小限に抑えるためには、科学的な根拠に基づいた登山道管理を推進することが不可欠です。近年の研究では、低空からの3次元マッピング手法(ドローンマッピング、pole-photogrammetry)が登山道の地形的特徴の高精細再現に使われてきました。この手法は、登山道上の侵食痕跡の早期発見、侵食パターンの解明、侵食要因の分析に有効であることが明らかになっています。 2020年ころから、スマホの3次元スキャンニングアプリが普及し始めて、スマホを使って取得した3次元データも登山道荒廃の解析に使えることが検証されました。スマホで登山道の3次元データを収集する手法を一般の登山者に普及することにより、利用者参加型登山道管理を推進し、利用と管理の好循環を促すことを考えられ、当研究室はこの登山道観察&3Dラボ体験のイベントを、大雪山国立公園において2025年、2026年にそれぞれ1回開催しました。 2026年8月9日のイベントには7人(日本人:3名、外国人:4名)が参加しました。全体の流れは以下の通りです。 イベント当日の様子⇩ Read More

  • 出版報告:小倉拓郎(編著)『地形×創作』

    出版報告:小倉拓郎(編著)『地形×創作』

    本研究室(環境地理)の出身者で、現在は一橋大学社会学研究科に所属されている小倉拓郎さんが編著者を務めた新刊書籍が、ジアース教育新社より刊行されました。 同じく出身者の小林勇介さん、および早川も、本書における実践記録・講評等を執筆しています。 書誌情報 『地形×創作』は「国立大学法人兵庫教育大学教育実践学叢書」の第9巻として、小倉拓郎さんの編著によりジアース教育新社から2026年7月に刊行されました。 書名:地形×創作-地形の効果的な導入を目指した新しい地理学習の実践- シリーズ:国立大学法人兵庫教育大学教育実践学叢書 9 編著者:小倉拓郎(一橋大学社会学研究科) 出版社:ジアース教育新社 刊行日:2026年7月17日 判型・頁数:A5判・284頁(上製本) ISBN:9784863717671 定価:3,300円 本書の概要 本書は、令和6年度兵庫教育大学「理論と実践の往還・融合」に関する共同研究活動「地形×創作:創作活動を通した地形表現体験プログラムの開発と効果検証―アナログ・デジタルの往還による地形図読解力向上への挑戦―」の研究成果をベースとしています。共同執筆者には兵庫教育大学の教員・附属学校教諭・非常勤講師・学部生を中心に、国内外の研究者・教員・学生院生が名を連ね、専門分野も地理教育・社会科教育にとどまらず、美術科教育や理科教育など多岐にわたるチーム編成となっています。 地形図をはじめとする地理学習の入り口として「創作活動」を位置づけることで、児童生徒が3次元的なイメージを持ちやすくなること、また観察力に富む児童生徒を教師が見出しやすくなることを狙いとしており、紙粘土による地形模型づくりなどを通じて、従来の学力評価とは異なる角度から児童生徒の理解度や関心の伸びを捉えられる点に特色があります。アナログ・デジタル双方の教材を用いることで、地理教育に隣接する総合的な学習の時間や歴史教育、理科教育、さらにはSTEAM教育(Science・Technology・Engineering・Arts and Humanities・Mathematics)のA以外の要素にも射程を広げています。 構成 本書は以下の3部構成です。… Read More

  • 新着論文:没入型VR講義の地球科学教育での使いやすさと動機づけ

    新着論文:没入型VR講義の地球科学教育での使いやすさと動機づけ

    博士課程のAzim Zulhilmiさんの筆頭論文(Newmanさんと早川が共著)が、Geoscience Communication誌(JIF=1.4、CiteScore=3.7)に掲載されました。学校教育における没入型VR(ヴァーチャルリアリティ)の活用に関する新しい試みを示した学術論文です。 Zulhilmi, A., Hayakawa, Y.S., Newman, D.R. (2025.08) Usability and motivational impact of a fast-paced immersive virtual-reality lecture… Read More

  • 北見北斗高校での特別授業

    北見北斗高校での特別授業

    当研究室のポスドク(JSPSフェロー)Daniel Newmanさんが、日本学術振興会(JSPS)のサイエンス・ダイアログのプログラムで、北見北斗高校で特別授業を行いました。 Geomorphometry(地形計測学)を専門とした研究をエッセンスに、物理や数学に関した基礎的な理論から、その地形学的・地球科学的な応用(地すべりの変化など)について、わかりやすく話していただきました。 英語での講義、コミュニケーションが主体となるプログラムですが、高校生も真剣に耳を傾け、その内容を理解しようとしていました。 また、講義の他にもう一つの取り組みとして、博士課程院生のAzim ZulhilmiさんがVR(ヴァーチャルリアリティ)を用いた地形景観の体験セッションも実施しました。 VRは知っていても体験したことがない、という人がほとんどで、操作に少しとまどいつつも、VR講義やヴァーチャル空間での地すべり観察など、新しい体験を通して、講義内容にさらなる関心をもってもらえました。 Read More

  • 開催報告:JpGU 2025 ユニオンセッションU-08/U-15

    開催報告:JpGU 2025 ユニオンセッションU-08/U-15

    日本地球惑星科学連合(JpGU)2025年大会にて、二つのユニオンセッションに、当研究室からワン・早川がコンビーナ(兼スピーカー)として、Zulhilmiがスピーカーとして参加しました。 U-15 言語や文化の壁を越えた地球科学の研究と教育 (Geoscience Research/Education Across Language And Cultural Boundaries 1: Scientist Experiences) U-08 Geoscience Research/Education Across Language And Cultural… Read More

  • 一般教育演習「北海道の自然と人」山歩き

    一般教育演習「北海道の自然と人」山歩き

    一般教育演習「北海道の自然と人」の2025年第2回は、都市近郊山地である藻岩山を舞台に行われました。 天気予報が芳しくなく、実際山頂付近は雲に覆われ眺望はよくありませんでしたが、予報ほど雨は降らず、無事に行程を終えることができました。 藻岩山頂から麓の川まで、7kmを超える距離を歩きました。地形や植物、動物まで、身近にある自然を体感するツアーでした。 Read More

  • 一般教育演習「北海道の自然と人」街歩き

    一般教育演習「北海道の自然と人」街歩き

    一般教育演習(フレッシュマンセミナー)「北海道の自然と人」の2025年第1回が行われました。 昨年度までは渡辺先生が講義されていた演習で、今年度からは早川ほか教員が担当します。 初回の「札幌の街と地形」では、北海道や札幌の自然と都市に関する座学から、構内と周辺の街歩きを行いました。 受講者のなんと9.5割は北海道外出身の方でした。みなさん、初めて来た札幌の街が、どのような自然をその足元に隠しているのか、興味をもってもらえたと思います。 このシリーズは、まだまだ続きます。街、山、川、空、鳥と、さまざまな「自然」と、そこに住む「人」との関係をみていきましょう。 Read More

  • 開催報告:北海道インターナショナルスクール特別授業

    開催報告:北海道インターナショナルスクール特別授業

    北海道インターナショナルスクールにて、特別授業を行いました。We performed a special lecture at the Hokkaido International School in Sapporo.  タイトルは、The title was:  Tracing the Legacy:�Landslide Impacts on… Read More