新着論文:廃道を活用して斜面からの土砂供給量を推定する

北大プレスリリース<PDF

早川の共著論文が、Geomorphology誌(JIF(2024)=3.3, CiteScore(2024)=6.4)に掲載されました。空中からのレーザ測量で、数十年間使われていなかった廃道に堆積した土砂の量を精密に測り、土石流により斜面から流れ出てくる土砂供給量を推定しました。

Harada, S., Hattanji, T., Ogura, T., Hayakawa, Y.S. (2026.04) An abandoned road as a debris trap: Estimating debris-supply rate from steep slopes based on UAV–LiDAR DEMs. Geomorphology, 499, 110193. https://doi.org/10.1016/j.geomorph.2026.110193 

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https://authors.elsevier.com/c/1mZhR_,Oh6ptVa

道路に落ちてくる石や土石流の堆積物は、ふつうはすぐに取り除かれます。しかし、人が使わなくなった廃道では、長年にわたって斜面からの落石がたまり続けるため、「自然の記録」が得られます。この量を正確に測れば、いつから、どれだけ土砂がたまったのか、どれだけ落石や土石流が起きたのかを知ることができます。このような、何十年にもわたる土砂の供給量を広い範囲で調べるのは、これまで簡単ではありませんでした。

そこで本研究では、レーザ測量ができる無人航空機を使い、廃道上の土砂の量を測ることで、数十年分の土砂供給量を推定することに成功しました。

調査は、1991年の災害以降通行止めとなっている静岡県道288号線で行いました。その結果、上側の斜面が急で広いほど、たまる土砂の量が多いことが分かり、谷の上流では1年に約70〜90 ㎥の土砂が供給されていると推定できました。これは、数10年で土石流1回分の土砂がたまる計算です。

山間部では廃道が増えています。こうした道路を調べることで、将来の土石流災害を予測するための大切な手がかりが得られると期待されます。

abandoned road—2022/3/2